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『鬼滅の刃』炭治郎はサブキャラだった?!編集者が知る舞台裏?!


今回は、社会現象を巻き起こしている「鬼滅の刃」の裏側について話していこうと思います。

2020年 上半期本ランキングでは、『鬼滅の刃』が史上初の「BOOK」と「コミック」同時1位達成のほか、「コミック」では1位~19位を独占し、いずれも200万部突破という快挙を成し遂げました。

人気絶頂のなか、5月18日発売の『週刊少年ジャンプ』で連載を終了しました。

人気が出ると話を長引かせようとする動きが多い中で、この何とも潔い感じ。

これも多くの人達を魅了する要素の一つなんだと思います。

ネット上では、「青い彼岸花」や「炭治郎のその後」など、まだ多くの伏線を残したまま、終わるとは思ってもいなかったという人たちの声が多く上がっています。

 

多くの人達に愛され、惜しまれつつ連載を終了した『鬼滅の刃』ですが、連載開始に至るまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。

吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)先生は、処女作『過狩り狩り(かがりがり)』で第70回JUMPトレジャー新人漫画賞佳作を受賞。

そこから数えて3作目に編集者の片山達彦氏と出会います。

『過狩り狩り』は、『鬼滅の刃』の前身になった作品でもあるのですが、この頃はまだ誰も近い将来にヒットする作品になるとは思ってもいませんでした。

ある時、吾峠先生と片山氏のやりとりで、「主人公をカッコよくしましょう」となったそうです。

すると吾峠先生が「カッコいいって何ですか?」と。

話を進めながら掘り下げていくと、カッコいい見た目の一つに『ゴルゴ13』が浮かび上がってきました。

そして中身は、ある漫画で読んだ、「車に轢かれて死んだ猫を、みんなが「気持ち悪い」と引いた目で見ている中、汚れも気にせず抱えて持っていける男。」

要は、自己犠牲です。

そこで初めて、二人のあいだで共通認識が持てたといいます。

 

『少年ジャンプNEXT!!』に『文殊史郎兄弟』、『ジャンプ』本誌に『肋骨さん』、『蠅庭のジグザグ』が読み切りとして掲載されましたが、悪くはないが、もう一つ人気が欲しい…といった評価になっていました。

連載会議でもいろんな連載ネームを出していたが、なかなか通らなかったようです。

吾峠先生は、2015年の間に連載を獲れなければ辞めると決意します。

『蠅庭のジグザグ』、『鈍痛風車』と連載ネームが続けて落ちてしまい、もうあとがない状態。

そこで、片山氏は『過狩り狩り』を読んだときに感じた課題に立ち戻ったといいます。

吾峠先生は、誰もが認める才能の持ち主です。

セリフの力は圧倒的だし、キャラクターの情緒を感じさせる描写に長けている。

しかし、「少年ジャンプ」対象読者の小中高学生が読んで理解できるのかどうか?

 

とにかく周りの先輩にアドバイスを求め、出てきたのがモチーフの話です。

『ONE PIECE』だったら海賊。

『NARUTO ナルト』だったら忍者と学園もの。

『僕のヒーローアカデミア』はヒーローものです。

歴代のヒット作は、みんなが知っている要素を使って新しいものを創り出している。

そこで、『過狩り狩り』を見直してみる事に。

『過狩り狩り』はみんなが知っている「吸血鬼」の話で、「大正時代」、「刀」というわかりやすいモチーフもあります。

これならいけるかも!!

そうして生まれたのが、前身である『鬼殺の流(きさつのながれ)』ですが、連載会議では残念ながら落選。

主人公は盲目、隻腕(片腕しかない)、両足義足という設定で、「世界観のシビアさと主人公の寡黙さ」が落選の理由でした。

 

落選はしましたが、「読みやすくなった」と世界観に対する一定の評価は得ていたので、あとは主人公のキャラクターだという事で吾峠先生と話し合う事になります。

主人公を別の人物に変えようという話になり、片山氏が「この作品の中に、もうちょっと普通の子いないですかね」と聞いてみると、

「炭を売っている男の子がいて、その子は家族全員殺されたうえに妹が鬼になっちゃって。

男の子は妹を人間に戻すために鬼殺隊に入るんです。」と・・・!!

宿命を背負ったキャラクターは、物語を動かす推進力になる。

片山氏は、その子を主人公にしてもう一度書きましょうと先生に提案しました。

 

そうして生まれたのが、『鬼滅の刃』です。

主人公は炭を売っている男の子という事で、炭治郎。

炭治郎というキャラクター自体は、もともと吾峠先生の頭の中にはあったんですが、サブキャラだったんです。

片山氏は、『鬼滅の刃』ネームを初めて読んだ際の衝撃を忘れないと言います。

第1話の義勇の「生殺与奪(せいさつよだつ)の権を他人に握らせるな!!」というセリフにしびれたそうです。

話も非常にわかりやすくなっているし、炭治郎も好感が持てる。

連載会議に通るだろうと確信。

その後、連載がスタートし、2019年にはテレビアニメ化され、人気が高まりました。

 

「鬼ももともと人間なんだから、人間としての生があるべき」と善悪の二元論だけでとらえるのではない描き方や大正時代という不安定な時代背景と現在との一致。

「哀れ、残酷、過酷」の描写の中にユーモアがあり、感動があります。

主人公の妹、禰豆子が竹筒をくわえているという発想もインパクト抜群でした。

この作品は何度も読み返していくと、その時々の状況で様々な気付きを与えてくれると思います。

単なる漫画ではなく、哲学、文学作品としても楽しめます。

 

名作は簡単に生まれるわけではないという事、多くの人達の力添えがあって成功があるという事を知ってもらえればと思います。

あなたもきっと誰かに支えられていると思います。

これから先の時代は変化が激しく過酷な状況が続くかもしれません。

しかし、きっと未来を切り開いていけるはずです。

 

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